名家 (公家) (Meike (important noble family) (kuge (court noble)))
名家(めいけ、めいか)とは、鎌倉時代以降に成立した公家の家格のひとつで、羽林家と同列で、半家 (公家)の上の序列に位置する。
大納言を極官とするのは羽林家と同じである。
しかし、羽林家が近衛府等の武官職系を経て大納言に進むのに対し、侍従・弁官(蔵人・蔵人頭を兼任)等の文官・事務系職を経て中納言・大納言に進む。
例外として日野家は左大臣、柳原家は准大臣、烏丸家と万里小路家は内大臣に進んだ者もある。
また、日野流は侍従を初任とするが勧修寺流は衛門府を初任とする場合が多い。
新家の場合には弁官のみで蔵人を兼ねず、途中で四府佐や八省輔を経た後に参議に任ぜられる家がある。
このように、家によって昇進に差がある場合がある。
幕末時で名家は30家弱を数えるが、その大部分は日野流藤原氏および観修寺流藤原氏の諸家。
中でも、日野家、広橋家、烏丸家、柳原家、竹屋家、裏松家、甘露寺家、葉室家、勧修寺家(かじゅうじけ)、万里小路家(までのこうじけ)、清閑寺家、中御門家、坊城家は、十三名家と呼ばれる。
藤原氏(北家日野流 11家)
日野家:日野家嫡流。
藤原真夏の後裔日野兼光の子日野資実が祖。
旧家。
家業は儒道・歌道。
広橋家:日野家支流。
日野兼光の五男広橋頼資が祖。
旧家。
家業は文筆。
柳原家:日野家支流。
日野俊光の四男柳原資明が祖。
旧家。
家業は文筆。
烏丸家:日野家支流。
日野資康の三男烏丸豊光が祖。
旧家。
家業は和歌。
竹屋家:広橋庶家。
広橋仲光のの三男竹屋兼俊が祖。
旧家。
勘解由小路家(藤原氏系)勘解由小路家(かでのこうじけ):烏丸庶流。
烏丸光広の二男勘解由小路資忠が祖。
新家。
家業は儒道。
裏松家:烏丸庶家。
烏丸光賢の二男裏松資清が祖。
新家。
外山家:日野庶流。
日野弘資の二男外山光顕が祖。
新家。
豊岡家:日野庶流。
日野弘資の三男豊岡有尚が祖。
新家。
三室戸家:柳原庶家。
柳原資行の子三室戸誠光が祖。
新家。
北小路家:柳原庶流。
三室戸誠光の子北小路徳光が祖。
新家。
藤原氏(北家勧修寺流 13家)
甘露寺家:勧修寺嫡流。
藤原高藤の曾孫藤原為輔が祖。
旧家。
家業は笛・儒道。
葉室家:甘露寺支流。
藤原為房の子葉室顕隆が祖。
旧家。
勧修寺家:甘露寺支流。
甘露寺資経の子観修寺経俊が祖。
旧家。
家業は儒道。
万里小路家:甘露寺支流。
甘露寺資経の子万里小路資通が祖。
旧家。
清閑寺家:甘露寺支流。
甘露寺経長の子清閑寺資房が祖。
旧家。
中御門家:勧修寺庶流。
観修寺経俊の子中御門経継が祖。
旧家。
坊城家:勧修寺庶流。
観修寺定資の子坊城俊実が祖。
旧家。
家業は紀伝道。
俗に小川坊城と号す。
芝山家:勧修寺庶流。
観修寺光豊の子芝山宣豊が祖。
新家。
池尻家:清閑寺庶流。
清閑寺共房の子池尻共孝が祖。
新家。
梅小路家:清閑寺庶流。
清閑寺共房の子梅小路定矩が祖。
新家。
岡崎家:中御門庶流。
中御門尚良の子岡崎宣持が祖。
新家。
穂波家:勧修寺庶流。
観修寺経広の子穂波経広が祖。
新家。
元は海住山と号す。
堤家:甘露寺庶流。
甘露寺嗣長の子中川貞長が祖。
その子堤輝長より堤と改める。
新家。
桓武平氏(高棟王流 3家)
平松家:西洞院家庶流。
西洞院時慶の子平松時庸が祖。
新家。
長谷家:西洞院家庶流。
西洞院時慶の子長谷忠康が祖。
新家。
交野家:西洞院家庶流。
西洞院時慶の子交野時貞が祖。
新家。